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こんにちは。しょうのこどもクリニック院長の庄野です。
赤ちゃんの頭の形が気になると、「様子を見ていて大丈夫かな」「自然に治るのかな」「病院に相談したほうがいいのかな」と不安になりますよね。
外来でも、後頭部の平らさや左右差、向き癖についてのご相談を多くいただきます。
赤ちゃんの頭は大人よりやわらかく、寝る向きや姿勢の影響を受けやすい一方で、まれに病気が隠れていることもあります。
大切なのは、「よくある変化」と「医療機関で確認したほうがよい状態」を見極めることです。
この記事では、よくあるお悩み、自然に治るケース、受診の目安、家庭でできるケア、病院で行う診察や治療までを、わかりやすくお伝えします。
ご相談で多いのは、「絶壁のように見える」「左右で形が違う」「同じ向きばかり向いて寝ているので片側だけ平らになってきた気がする」といった声です。
赤ちゃんの頭は成長の途中にあり、頭蓋骨のつなぎ目もまだやわらかいため、寝る姿勢や向き癖の影響を受けやすい時期があります。
赤ちゃんの頭の形でよく使われる言葉として、斜頭・短頭・長頭があります。
ご家庭で正確に判断するのは簡単ではありません。
まずは「どのようなタイプの変形がありうるのか」を知っておくことが大切です。
頭のゆがみの原因は、大きく2つに分けて考えます。
代表的なのが頭蓋骨縫合早期癒合症です。
頭蓋骨のつなぎ目(縫合線)が通常より早く閉じてしまう状態で、頭の形に変化が出るだけでなく、治療に手術が必要になることがあります。
日常診療で多くみられるのが、寝ぐせや向き癖、子宮内や産道を通る際の圧迫などによる変形です。
同じ方向を向いて寝ている時間が長かったり、同じ場所に圧がかかり続けたりすると、その部分の成長が抑えられ、形に偏りが出てきます。
斜頸があるお子さんでは首の向きに偏りが出やすく、頭の形にも影響しやすくなります。
保護者の方が最も知りたいのが、「自然に治るのか」「病院に行くべきなのか」という点だと思います。
軽いゆがみであれば、成長とともに目立ちにくくなることがあります。
月齢が低く、体位の工夫や向き癖への対応で少しずつ変化が出ている場合は、家庭でのケアを続けながら経過を見ることもあります。
頭囲の増え方が順調で、哺乳や発達などに気になる点がないときには、すぐに大きな治療につながらないこともあります。
一方で、すべてのゆがみが自然にきれいに整うとは限りません。
ゆがみの程度が強い場合や月齢が進んでいる場合は、自然改善だけでは十分でないことがあります。
「いずれ治るだろう」と決めつけず、今の状態をきちんと確認することが大切です。
見た目だけで「様子を見てよい状態」か「しっかり評価したほうがよい状態」かを判断するのは難しいことがあります。
気になった時点で相談していただくことには十分意味があります。
まず大切なのは、同じ場所に圧がかかり続けないようにすることです。
いつも同じ向きで寝るようであれば、反対側も向きやすいように環境を工夫したり、抱っこの向きを変えたりして、頭への圧が一方向に偏らないようにします。
授乳の向きや抱っこする腕の左右を意識して変えることも役立ちます。
日々のちょっとした工夫の積み重ねが、頭の形への負担を減らすことにつながります。
タミータイムは、後頭部への圧を減らすだけでなく、首や体幹の発達を促すきっかけにもなります。
無理のない範囲で、機嫌のよい時間に、保護者の目の届くところで安全に行うことが大切です。
家庭でのケアはとても大切ですが、重度のゆがみでは工夫だけで改善するのが難しいこともあります。
ケアを続けながら、必要に応じて医療機関で評価を受けることが重要です。
受診した際は、頭の形そのものに加えて、向き癖の有無、首の動き、斜頸の有無、病的な変形の可能性などを総合的に確認します。
「よくある位置的な変形なのか」「病気が隠れていないか」をきちんと見分けることが、その後の対応を考えるうえでとても重要です。
当院では、3Dカメラを用いた頭部撮影を行っています。
見た目だけでなくデータとして頭の形を確認できるため、変形の程度を客観的に把握しやすいのが特徴です。
撮影データをもとに、一人ひとりの状態に合わせた評価や治療方針をご説明できます。
頭の形のゆがみが強い場合などには、状態に応じてヘルメット治療を検討することがあります。
ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭に合わせて作製したヘルメットを装着し、平坦な部分に空間をつくって成長を促す治療です。
歯科矯正のように力を加えて形を変えるのではなく、頭の成長を利用して形を整えていきます。
当院では「ベビーバンド」を導入しています。
3Dカメラで計測した頭のデータをもとに、オーダーメイドでヘルメットを設計・製造します。
通気性や清潔さにも配慮された構造で、赤ちゃんが快適に装着できるよう考えられています。
装着時間が長いほど治療効果が高くなるとされており、1日23時間の装着が推奨されています。
通院は月1回程度が目安で、治療期間は2〜6か月が標準的です。
月齢やゆがみの程度によって個人差はありますが、早い時期に始めるほど治療期間が短く済みやすい傾向があります。
当院のヘルメット治療費用は350,000円(税込)です。
この費用には3D撮影費用、頭蓋形状矯正ヘルメット、治療終了までの診察代が含まれます。
破損や紛失による交換、治療延長などで2個目のヘルメットが必要になった場合には別途費用がかかります。
費用だけを見ると迷われる方もいらっしゃると思いますが、大切なのは、今のお子さんの状態に本当に治療が必要かどうかをきちんと評価することです。
当院では理学療法とヘルメット治療の両方を視野に入れながら、状態に応じたご説明を行っています。
赤ちゃんの頭の形は、毎日目に入るものだからこそ気になるものです。
「気にしすぎかな」と相談をためらう方もいらっしゃいますが、気になった時点でご相談いただくこと自体に大きな意味があります。
経過観察でよい場合も、家庭での工夫が役立つ場合も、治療を考えたほうがよい場合もあります。
見た目だけでは判断しづらいからこそ、早めに状態を知ることが大切です。
赤ちゃんの頭の形の変化には、寝ぐせや向き癖などによるものが多く含まれますが、まれに病的な原因が隠れていることもあります。
軽いゆがみでは自然に目立ちにくくなることもありますが、すべてが自然に整うとは限りません。
後頭部の左右差が気になる、向き癖が強い、月齢が進んでも改善しない、家庭で工夫しても変化が少ないといった場合は、一度ご相談ください。
赤ちゃんの頭の形は、早い時期ほどできる対応の幅が広がります。
「気になる」という気持ちをそのままにせず、必要に応じて医療機関を頼っていただければと思います。