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発達障害かも?小児科専門医が語る“今すぐ知りたい”子どもの特徴と対応法

  • その他
2025/11/25 [Tue] 20:58 UPDATE

こんにちは。しょうのこどもクリニック院長の庄野です。

外来でも「うちの子、発達障害かもしれない…」というご相談は年々増えています。
同じ年齢のお子さんと比べて「何か違う?」と感じたとき、保護者の方は大きな不安を抱かれることと思います。

  • ✔ どんな特徴があると発達障害が疑われるの?
  • ✔ 何歳で相談したらいいの?
  • ✔ 家庭や学校でできる支援は?

この記事では、小児科専門医の立場から最新の医療知見をわかりやすく整理し、今すぐできる対応策や相談先をご紹介します。
読み終える頃には、“次に何をすればよいか”が見えてくるはずです。


発達障害とは?小児科医が解説する“発達の凸凹”

発達障害は、生まれつきの脳機能の特性と環境とのミスマッチによって、日常生活に困難が生じる状態の総称です。現在は神経発達症と名称が変更されていますので、以下は神経発達症と記載します。
乳幼児期は発達の個人差が大きく、「ゆっくり屋さん」と「支援が必要な神経発達症」は区別がつきにくいこともあります。

私たち小児科医は、本人の特性もそうですが、置かれている社会環境や本人やご家族の意向などを総合的に見て、診断名よりも「今どんな支援が必要か」を重視します。
早く診断することよりも、その子に合ったサポートを早く始めることが大切です。


神経発達症の背景にある脳の仕組み

脳は、感覚・注意・言語・社会性など複雑な機能を統合するネットワークでできています。
神経発達症では、そのネットワークの一部に偏りがあり、情報処理のしかたが定型発達の子どもと異なるために“得意・不得意”が目立ちます。

ASD(自閉スペクトラム症)

・視覚優位、記憶力が強み

・こだわりが強く社会生活に困難をきたす場合も


ADHD(注意欠如・多動症)

・瞬発的な発想力・行動力が強み

・多動や不注意で社会生活に困難をきたす場合も


sLD(限局性学習障害)

・特定領域での困難はあるが芸術的

・口頭表現が得意な場合も

こうした特性を理解することで、「できないこと」ではなく「得意を活かし、苦手を補う」視点に変えることができます。


早期発見と保護者ができる準備

幼児期は脳の可塑性が高く、早期支援の効果が大きい時期です。
保護者の方にぜひお願いしたいのは、以下の三つです。

  1. ✔ 母子手帳の発達欄を定期的に確認する
  2. ✔ 気になる行動は動画やメモで記録する
  3. ✔ 地域の相談窓口(保健センター・発達支援センターなど)をリスト化する

これらを整えておくだけで、専門機関を受診した際にスムーズな評価ができます。


年齢別チェックリスト:こんなサインに気づいたら相談を

年齢ごとに現れやすい発達のサインを整理しました。
※ひとつひとつの項目で決めつけず、複数のサインが重なり生活上の困り感が強いときに相談するのが目安です。

1歳ごろ

・名前を呼んでも目が合いにくい
・指差しやまねっこ遊びが出ていない
・まばたきや首振りなど同じ動きを繰り返す


2歳ごろ

・物を一直線に並べる、決まったものしか食べないなど(常同性・反復性)
・服のタグや音に強い嫌悪反応(感覚過敏)
・危険を顧みず走り出す(多動性・衝動性)


3歳ごろ

・ごっこ遊びや役割遊びに参加できない
・呼びかけに反応するが会話が一方通行


小学生

・忘れ物が多い、板書を写せない
・計算ミスが減らない、チャイム後の切り替えが遅い
・空気が読めない、人の気持ちがわからない
・片付けができない

気になる行動はスマホで記録し、健診や保育園の先生と共有しましょう。


主な神経発達症の特徴と支援のヒント

障害名 主な特性 強み 支援の鍵
ASD(自閉スペクトラム症) 社会性の困難・こだわり 記憶力・パターン認識 スケジュール・視覚支援
ADHD(注意欠如・多動症) 不注意・多動・衝動性 発想力・瞬時の判断 環境調整・行動療法
sLD(限局性学習障害) 読み書き計算の困難 芸術的・口頭表現 学習方法の個別化


受診から診断・支援開始までの流れ

「気になる」と感じたら、まずは地域の小児科に相談するのが一番かと思います。

神経発達症の診療に慣れていない小児科もありますので、まずは問い合わせてみるのが一番かと思います。必要に応じて小児神経科や児童精神科へ紹介されることもあります。

大切なことは「発達のことで気になる」ということを受診前に医療機関に伝えておくことです。発達相談の初回外来は長時間になりがちで、確認項目も多いためです。

一般的な流れは以下の通りです。

初診予約

受診予定の医療機関に確認し、診てもらえるか・準備物などを確認

受診、問診・診察

行動歴の聴取、幼少期からの経過がわかる方が付き添う

必要に応じて検査

発達検査・知能検査など

診断

DSM-5基準に基づく総合評価

支援開始

療育・学校連携・薬物療法など

療育事業所や支援センターは自治体の申請が必要な場合がありますので、早めに準備しておくと安心です。


家庭と学校でできるサポートの工夫

日常生活

こだわり行動は「安心の手段」。急にやめさせず、タイマーや視覚スケジュールで予告して移行


学習支援

先生と連携し、指示は短く具体的に。板書は写真共有、タイムタイマーで時間の見える化


かんしゃく対応

「走らないで」より「歩こうね」。静かな場所でクールダウン



グレーゾーンや併存症の考え方

診断基準を満たさなくても困り感があれば支援対象です。
聴覚障害や甲状腺機能低下症など、類似症状を示す疾患の除外も重要です。


小児科専門医からのメッセージ ― 早期発見と支援で未来を広げる

神経発達症は、困りごとと同時に“強み”も持つ状態です。
適切な支援を早期に行えば、子どもの自己肯定感と将来の選択肢は大きく広がります

保護者の方に、今日からできることを三つ挙げます。

  1. 行動観察メモを始める
  2. 地域の子育て支援センターに連絡する
  3. 家族で情報共有し理解を深める

これだけでも支援は前進します。小児科医は、お子さんの未来を共に支えたいと願っています。


【お願いとご案内】

  • 本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を保証するものではありません。

お子さんの状態について心配な点がある場合は、かかりつけ医または専門機関にご相談ください。

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